研究課題
異なる流体を混合・撹拌し、濃縮・反応・相分離させた後に、混合流体を蒸発・乾燥させるなどのプロセスは、創薬などの医学バイオ分野ならびに化学分析分野などにおいて不可欠なものである。しかしながら、超高純度の微量成分を取り扱おうとする場合、溶媒の容器壁への付着や不純物の残留の問題の顕在化が指摘されており、非接触での熱流体プロセス制御技術の実現が切望されている。本研究では、超音波浮遊法と静電浮遊法をハイブリッドに用いることで、非接触無容器でのプロセス制御技術の実現を目指している。最終年度は、静電場・超音波ハイブリッド液滴浮遊システムを実現するために必要となる装置用件ならびに最適条件の同定を行い、多成分液滴の合体・混合・分離などのプロセス制御の実現を目指した。液滴の非接触マニピュレーションの実現を目指し、新たに対向型超音波フェーズドアレイを用いた音響浮遊システムを開発した。さらに液滴自動注入装置を開発した。これにより、液滴の自動注入および液滴の制御を可能とした。既存の超音波フェーズドアレイ装置では、液滴の混合挙動に対し、レーザー粒子蛍光法 (LIF)を用いた多成分液滴の計測、粒子イメージ流速計測法 (PIV)による内部流動場の計測を適用することで、混合の詳細な評価よりモード振動による混合効率化の有用性を示した。また、非線形音響効果による複雑現象を最小化可能である微小重力環境を用いて、流体マニピュレーションのキーとなる要素技術の開発や液滴に生じる物理現象を解明することを目的とし、航空機を用いた短時間微小重力実験を行った。その結果、微小重力環境において、2つの液滴を同時に浮遊させることに成功し、さらには、液滴を非接触で合体させることに成功した。これにより、液滴の非接触制御技術の更なる開発に有効となる技術が構築された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 5件)
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