本研究課題では,外部磁場の印加により見かけの粘弾性が変化する磁気粘弾性エラストマに,新しい機能として自己センシング能力を付与し,セミアクティブ型の制振装置に適用して,低コストかつ自己完結的な構造物の振動制御を実現することを目的した検討を行った.積層形成したMREを検討対象に,弾性率可変性についてはセンシング層の介在に関わらず所望の変化倍率を確保できることがわかった.一方,センシングに関しては,変位の大きさに比例した電気抵抗の変化が得られ,変位の正負方向の判別についてはMREに初期変形バイアスを与える仕組みを付加したところ,外乱信号に同期した周波数の電気抵抗変化を検出することができた.
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