本研究では、微小構造体の疲労試験を電子顕微鏡観察下で行う一貫システムを構築した。微小構造体はマクロ構造体とは違う疲労特性を持つと言われていたが、観察、加振、応力-ひずみ測定が困難であることから、微小構造体の疲労試験はこれまでほとんど行われてこなかった。本研究では、微小力センサを有する多軸のマイクロマニピュレータを用いることで、荷重方向、加振条件を自由に設定し、様々な条件の疲労試験を可能にした。また、疲労試験自体を電子顕微鏡観察下で行い、疲労破壊にいたるまでの材料のミクロ構造の変化と、構造体の挙動をその場で観察・分析することで、微小構造体の疲労破壊に特有のメカニズムを詳細に解明した。
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