電気磁気効果は,電圧印加による磁化反転を実現する方法の一つとして期待されている.本研究では磁気モーメントのらせん配列によって,P∝ eij× ( Si × Sj) という電気分極が発現するねじれた磁気構造に注目した.異方性主軸の異なる強磁性絶縁膜を接合するとその界面では,交換結合によって界面付近に人工的な90°磁壁が生じ,それによって電気分極の発現が期待される.また,この電気分極の方向は磁化のねじれの向きに依存するため,外部電界によって電気分極を変化させることで磁化方向の変化が期待できる.磁化容易軸の異なる強磁性絶縁体二層薄膜構造の作製およびこの構造における電気磁気効果の有無について検証した.
|