本研究では、1THz以上の発振周波数を有する固体デバイス開発に向けてBi系固有ジョセフソン接合を中心にデバイス作製プロセス、結晶成長、検出器に関して研究を行った。その結果、Bi2212単結晶を希塩酸によって改質することで得た固有接合素子から1THz以上の電磁波放射をフーリエ分光によって明らかにした。また、薄膜型素子作製に向けKOHフラックスを用いたBi-2212結晶成長を試みた結果、自己フラックス法より低温度(約900℃)で単結晶を育成できることを見出した。本研究で実証した発振周波数はウエットプロセスによる固有接合素子のなかでは最高であり、薄膜型素子にすることでさらなる発振周波数の向上が期待できる。
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