チャネル領域に単原子層(MoS2)を用いたFET構造のモンテカルロ・シミュレータを構築した。高エネルギー電子状態を精度よく反映させるために、従来のK-valleyだけでなく、有効質量の異方性を正確に導入した高エネルギーQ-valleyを導入した。また、高エネルギー電子によって生じる熱と格子との熱輸送を考慮したモンテカルロ・シミュレーションにより、高電界下での温度を自己無撞着に求め、実験的に観測されている温度と良い一致を示すことを見出した。また、デバイスシミュレーションの理論的枠組みの中での長さのスケールに不整合があり、これを解決する離散不純物モデルを提案した。
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