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2016 年度 実績報告書

偏波状態を利用した半導体光集積回路の開発と光通信応用

研究課題

研究課題/領域番号 15H03985
研究機関東京大学

研究代表者

種村 拓夫  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90447425)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード光集積回路
研究実績の概要

本研究は、半導体光集積回路内で光の偏波状態を自在に制御・検出する技術を実現し、一連の偏波処理光集積回路を創製し、次世代光通信システムへの応用可能性を検証することを目的としている。具体的には、これまでに開発したハーフリッジ型偏波回転素子技術を基に、偏波多重光送信回路、および、ストークスベクトル変復調回路の実現に向けて、要素技術の開発を進めている。
平成28年度には、まず、偏波変換/多重回路の歩留まり改善に向けて、ドライエッチストップ層を導入した新規構造を提案し、素子設計とエッチングプロセスの条件出しを行った。また、短距離光通信用途に向けて、1300nm波長帯において動作する偏波変換器を設計した。偏波変調回路に関しては、量子井戸層を導入した変調部とバルク結晶部からなる偏波変換部をモノリシックに集積することに試み、素子の試作と基本動作の実証に成功した。一方、偏波復調素子については、前年度に作製したパッシブ回路を用いて、高速なストークスベクトル変調信号の復調実験に成功した。さらに、量子井戸型受光器のモノリシック集積に取り掛かり、最初の素子の試作に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、偏波変調回路、および、偏波復調回路の作製と実証が順調に進んでいる。特に復調回路については、作製誤差を電気的な信号処理により補償できることが判明し、当初期待した以上の成果を挙げることに成功した。一方、偏波多重/分離回路については、依然、作製誤差に対して歩留まりが劣化する問題が顕在化している。今後、これらの課題を解決する必要がある。

今後の研究の推進方策

平成28年度に開発した諸技術を基に以下の項目を開発する。まず、偏波多重回路の実現に向けて、ドライエッチストップ層を導入した新規構造を用いることで歩留まり良く偏波回転素子を作製する。また、平成28年度に設計した1300 nm波長帯において偏波変換器を実現し、短距離光通信送受信器への応用を目指す。また、偏波変調素子については、平成28年度に実証したアクティブ/パッシブ集積技術を用いて高効率化を図る。一方、偏波復調素子については、平成28年度にストークスベクトル変調信号の復調実験に成功したので、この結果を基に雑音特性を解析し、素子構造に改善を加える。さらに、量子井戸型受光器とのモノリシック集積を進め、コンパクトな偏波復調回路を完成させる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] InPモノリシック集積偏波制御回路2016

    • 著者名/発表者名
      種村拓夫, 中野義昭
    • 雑誌名

      電子情報通信学会和文論文誌C

      巻: J99-C ページ: 373-381

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Monolithic polarization controller with InGaAlAs/InAlAs multiple-quantum-well phase shifter2017

    • 著者名/発表者名
      M. Kazi, S. Ghosh, H. Sodabanlu, T. Tanemura, and Y. Nakano
    • 学会等名
      Compound Semiconductor Week (CSW’17)
    • 国際学会
  • [学会発表] Simple direct-detection-based Stokes vector receiver circuit on InP2017

    • 著者名/発表者名
      S. Ghosh, T. Tanemura, Y. Kawabata, K. Katoh, K. Kikuchi, and Y. Nakano
    • 学会等名
      Optical Fiber Communication Conference (OFC’17)
    • 国際学会
  • [学会発表] 光集積回路における偏光制御とストークス空間を活用した近距離多値光通信2016

    • 著者名/発表者名
      種村拓夫
    • 学会等名
      エイトラムダフォーラム2016
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-10-20 – 2016-10-20
    • 招待講演
  • [学会発表] Polarization manipulation in monolithic InP-based PICs2016

    • 著者名/発表者名
      T. Tanemura and Y. Nakano
    • 学会等名
      Integrated Photonics Research, Silicon and Nano-Photonics (IPR)
    • 発表場所
      バンクーバー
    • 年月日
      2016-07-18 – 2016-07-20
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Integrated Stokes vector analyzer on InP2016

    • 著者名/発表者名
      S. Ghosh, Y. Kawabata, T. Tanemura, and Y. Nakano
    • 学会等名
      21st OptoElectronics and Communications Conference / International Conference on Photonics in Switching (OECC/PS 2016)
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2016-07-03 – 2016-07-07
    • 国際学会
  • [学会発表] InP polarization-manipulating circuits2016

    • 著者名/発表者名
      T. Tanemura
    • 学会等名
      21st OptoElectronics and Communications Conference / International Conference on Photonics in Switching (OECC/PS 2016)
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2016-07-03 – 2016-07-03
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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