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本研究は、半導体光集積回路内で光の偏波状態を自在に制御・検出する技術を実現し、一連の偏波処理光集積回路を創製し、次世代光通信システムへの応用可能性を検証することを目的としている。具体的には、これまでに開発したハーフリッジ型偏波回転素子技術を基に、偏波多重光送信回路、および、ストークスベクトル変復調回路の実現に向けて、要素技術の開発を進めている。
平成29年度には、まず、偏波変換／多重回路の歩留まり改善に向けて、ドライエッチストップ層を導入した新規構造の試作を行い、作製誤差耐性が大幅に向上することを実験的に実証した。また、位相調整部を導入することで作製誤差を補償する手法を検討し、3段以上の構成にすることで大幅に誤差耐性が広がることを数値解析により実証した。並行して、短距離通信用に1300nm波長帯において動作する偏波多重回路を設計し、試作を行った。一方、偏波変調回路に関しては、量子閉じ込めシュタルク効果を用いた変調素子を作製し、逆バイアス下においても高効率に偏波変調が得られることを実証した。偏波復調素子については、前年度に作製した受光器をモノリシックに集積した回路を評価し、光電流信号から入力光の偏波状態を検出することに初めて成功した。さらに、受信感度特性の向上に向けて、4つの偏波変換ポートを有する新規構成を提案し、数値解析によりその有効性を明らかにし、素子パラメータの最適設計を行った。
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