研究課題
本研究は、第1に核形成位置制御法による高性能グラフェンデバイスのアレイ構造を作製する。これは、結晶粒界を有しないグラフェンチャネルを合成することにより高性能デバイスを作製するである。次に、糖鎖プローブをグラフェンチャネル上に修飾することにより、インフルエンザウイルス高感度検出システムを創生することである。前年度までは、銅酸化層から金属銅が露出したマイクロパターンのサイズを変化することにより、パターン内では結晶数が一個程度に制御することが可能になった。本年度は、成長時間を増加させることにより、グラフェンの面積をデバイスのチャネル程度に増加させた。そのラマンマッピングを測定することにより、結晶核の部分の構造が明らかになった。さらに、得られたグラフェンの電気測定を行った。核形成位置制御法を用いることにより、移動度が数倍向上することが明らかになった。前年度は、1ピレンブタン酸スクシンイミジルエステルを用いて糖鎖プローブをグラフェンへ結合可能な誘導体化を行い、アミド結合で糖鎖プローブをグラフェン表面へ修飾するプロセスを開発した。インフルエンザウイルスの検出の予備実験として、シアロ糖鎖と特異的な結合を示すタンパク質であるレクチンを用いた。ヒト型糖鎖修飾グラフェンでは特異的な結合を示すニホンニワトコレクチンにおいてラングミュアの吸着等温式にフィットされる大きなドレイン電流の変化が生じたが、非特異的なタンパク質においては小さなドレイン電流変化であった。一方、鳥型糖鎖修飾グラフェンにおいても同様に特異的なイヌエンジュレクチンにのみドレイン電流の大きな変化が見られた。以上の結果より、糖鎖修飾グラフェンデバイスは選択性を有しており、ヒト感染能力を得た鳥インフルエンザウイルスを検出できる能力を有していることを示している。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Carbon-related Materials in Recognition of Nobel Lectures
巻: なし ページ: 79~90
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Japanese Journal of Applied Physics
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