研究課題/領域番号 |
15H03987
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
高木 康博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50236189)
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研究分担者 |
柏木 謙 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10509730)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ホログラフィー / ディスプレイ / MEMS / レーザ |
研究実績の概要 |
(1)ホログラム結像系のマルチチャンネル化:従来の視域走査型のホログラム結像系を変更し、マルチチャンネル化に対応したホログラム結像系を実現した。ホログラム結像系は2枚のレンズで構成し、一方をスクリーンレンズとして表示面に配置して枠なし表示面を実現し、他方を結像レンズとしてSLMの表示面をスクリーンレンズ上に拡大結像した。本研究では、原理確認のために、最小構成の2チャンネルの表示システムを試作した。SLMには、最大フレームレート22,727 Hzで解像度1,024×768のDMDを用いた。各チャンネルは、画面が縦長になるようにDMDを配置して、画面サイズを104 mm×78.0 mmに拡大した。2チャンネルの表示面を横方向にタイリングし、画面サイズを156 mm×104 mm(7.4インチ)に拡大した。ピクセルピッチは101.6 μmに拡大される。縮小された視域の幅は5.05 mmとなる。 (2)回転型平面スキャナの実現:回転型の平面スキャナを実現に取り組んだ。レンズ中心軸と回転軸をずらした偏心レンズと、垂直方向拡散板で構成した。レンズが回転すると、レンズによる集光点も回転軸のまわりを回転する。ここで、光線が垂直方向拡散板により垂直方向に拡散され、視域が垂直方向に広がる。そのため、偏心レンズが回転すると、視域が水平方向に往復運動する。偏心レンズには有効径200 mmのフレネルレンズを用い、垂直方向拡散板にはレンチキュラレンズを用いた。回転にはDCモータを用い、回転数を1,800 rpmとして、ホログラム表示のフレームレートを60 Hzとした。このとき、一回の水平走査で189個の視域が水平方向に並ぶ。視域の形成距離を800 mmとし、視域幅が630 mmに拡大される。視域角は43.0 °である。 (3)表示システムの実現:以上で実現したマルチチャンネル結像系と回転型平面スキャナを組み合わせて、2チャンネル表示システムを完成し、ホログラム表示を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成27年度の研究実施計画はすべて実現した。さらに、平成28年度に実現を予定しているカラー化の研究内容を一部先取りして行った。具体的には、回折を用いたRGB合波においてキーになるRGBファイバアレイの設計を行った。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通りに研究が進んでいるので、平成28年度も当初の研究計画に従い研究を遂行する予定でいる。さらに、今年度と同様に、当初の研究計画にない内容についても、本研究を推進するうえで必要と認めた内容については、積極的に取り組む。
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