本研究では2光子吸収の抑制や広帯域動作においてSiフォトニック結晶を大きく超える性能が期待されるSiCフォトニック結晶の低損失化に取り組んだ。ベースとなるSiC薄膜自体がその作製工程に由来した線形光吸収を持つことを明らかにし、これを回避する作製手法を考案した。これにより、SiCフォトニック結晶共振器のQ値として最大で30万を実現し、共振器の光損失を本研究開始前の1/30倍に低減させることに成功した。さらにこのような高Q値共振器を用いた2光子吸収のない高効率な非線形効果の発現に取り組み、最も基本的な光非線形効果である二次高調波発生において1400%/Wという高い効率を観測した。
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