本提案の目標は3つ、1)MOSFET内のDB欠陥による電子スピン・核スピン量子ビットの実現、2)欠陥の個数、位置および準位エネルギーの制御、3) 2つのMOSFETにそれぞれ存在する量子ビットを結合する技術の理論研究である。研究は当初のDB欠陥を深い不純物へ、MOSFETをその一種であるTFETへと変更しつつ行われた。目標1)を達成しただけでなく、従来よりも2桁も高い温度10ケルビンでの量子ビット動作を実現した。また深い不純物を利用によりその密度および準位エネルギーの制御が可能となり、目標2)もほぼ達成できた。3)に関しては理論的研究を進めただけでなく、予備実験を行うことができた。
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