研究課題/領域番号 |
15H04043
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡部 靖憲 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20292055)
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研究分担者 |
猿渡 亜由未 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00563876)
山田 朋人 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10554959)
大塚 淳一 国立研究開発法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (50540556)
森 信人 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371476)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 海岸工学 |
研究実績の概要 |
本研究は,そのメカニズムの解明が緊急の国際課題としてフォーカスされている暴風下の海面抵抗リダクションの問題に対して,台風下の海洋の応答と砕波による気液二相化及び海面を挟む気液境界層の乱流による崩壊に伴う抵抗及び熱輸送の変調を微視スケールから領域スケールに至る複合スケールのパラメタリゼーションを推し進めるものである.平成27年度に行った研究タスクにいて次に記述する成果を得た. タスク1 風洞砕波実験による混相乱流境界層の変調が海面抵抗,熱水分輸送へ与える寄与の定量化を目指し,任意風速場に対する飛沫及び混入気泡に対する高速画像計測を行うと同時にレーザ散乱強度を利用した粒径分布計測を行い,風波砕波に伴う飛沫,気泡生成を誘発する微視的海面運動を確認し,並びに平均的飛沫サイズ分布を取得した.混入気泡数において支配的なマイクロバブル群の運動について画像計測を行い,遷移的な浮上速度変動を陽的に記述する新たな抵抗係数モデルを構築した.これら成果は,土木学会論文集B2(海岸工学)へ投稿し,1次審査において採択されている. タスク2 非平衡気液界面をもつ砕波波面,飛沫,気泡からのフラックス輸送計算を行う本タスクでは,新たなモデル開発を行い,強風下における波の成長と共に変化する波面に働く摩擦抵抗と圧力抵抗の寄与と乱流境界層内風速分布との関係を明らかにする準備を完了した. タスク3 広域砕波分布と飛沫生成の組織性の解明と統計モデル開発を目指す本タスクでは,現地海象観測により,台風通過時の水面波の映像から白波カバー率を定量的に取得するための光学補正モデル開発を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
風洞混相流実験を行うタスク1では,予定していた飛沫,気泡のサイズ分布計測を行い,風速に依存した大よその特徴を取得している.これは本年度予定する詳細実験のベースとなるものであり,さらなる成果が期待できる. 計算モデル開発を行うタスク2では,基本モデルが完成し,28年度での完成に向け順調に進展している. タスク3で実施した現地海象観測では,最終年度に整理する統計モデル開発に向け,順調に基本気象海象データを蓄積している.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度において行った基礎実験,モデル開発ともに順調に進展しており,また新たに購入した実験,観測機器を含めた計測システムも準備が整っており,平成28年度で予定する研究について問題等は生じていない.一方,予期しない問題に対応するため,共同研究体制の中で効率的に成果の共有,研究協力を図る.
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