研究課題/領域番号 |
15H04051
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐山 敬洋 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70402930)
|
研究分担者 |
畑山 満則 京都大学, 防災研究所, 教授 (10346059)
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 洪水 / 鬼怒川 / RRI / データ同化 / ICT / ソーシャルメディア / 災害情報 / 最適内挿法 |
研究実績の概要 |
本研究は、中小河川を含む流域一体の降雨流出氾濫シミュレーションを、現場から収集される浸水情報や河川水位情報によって逐次補正するデータ同化手法を考案し、迅速かつ高精度に浸水域を推定する技術を開発する。二年度にあたる平成28年度は、研究実施計画に基づいて以下の内容を実施した。 (1) 現地浸水関連情報と浸水シミュレーション結果の同化技術開発 事前に複数の条件で多数の氾濫シミュレーションを実行しておき、それらのシミュレーション結果とリアルタイムで入手される浸水情報を統計的に同化することによって、リアルタイムの浸水ハザードマッピングを実現する方法を開発した。まず事前に複数の条件(破堤地点・越流量・粗度係数等)で多数の氾濫シミュレーションを実行する。それらのシミュレーション結果とリアルタイムで入手される浸水情報を統計的に同化することによって、リアルタイムの浸水ハザードマッピングを実現する。開発した手法は、二段階で浸水深の空間分布を推定する方法であり、地形や構造物の影響を加味しつつ、現地状況を的確に反映した浸水深分布が推定できる特徴を有す。 (2) RRIモデルの高度化とデータ同化手法の適用 平成27年度に進めたRRIモデルの兵庫県・千種川流域への適用研究を、平成28年度は以下の二つの観点から発展させた。一つ目は、リアルタイム運用の試行であり、サーバ上でXバンドMPレーダの雨量を1分毎に入力し、実時間で降雨流出から洪水氾濫までを流域一帯でシミュレーションできることを示した。二つ目は、上記データ同化手法の応用であり、上記の手法のなかでは二次補正に相当する部分を、流域の複数地点で観測される河川水位の情報をもとにしたRRIモデルの同化に応用した。交差検証の結果、水位の観測情報が無い場所においても、水位の計算精度が向上されることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、本研究の核となる浸水関連情報を活用したデータ同化手法を開発し、特許出願を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年9月の鬼怒川洪水などを対象に、行政や水防団などがどのような浸水関連情報を入手していたかを明らかにして、本年度開発したデータ同化手法の検証を進めていく予定にしている。
|