研究課題/領域番号 |
15H04057
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
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研究分担者 |
宇野 伸宏 京都大学, 経営学研究科, 准教授 (80232883)
嶋本 寛 宮崎大学, 工学部, 准教授 (90464304)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 交通工学 / 交通管理制御 / 料金コントロール / 交通マネジメント |
研究実績の概要 |
本年度は,主に文献調査による本研究の位置づけ確認,ETCデータを活用した料金体系変更前後での行動変化推定,および動的交通ネットワークフロー逆推定モデルの構築を進めた. 文献調査については,国内外における関連研究および現在利用可能なデータ群を調査し,今の時代に合致した方法論構築のための事前知識の整理を試みた. ETCデータを課徴した料金体系変更前後での行動変化推定については,ゾーン均一料金制から距離帯別料金制に変更した都市高速道路でのETCデータについて,料金制度変更前後の2年間のものを分析し,その変動解析を行った.その結果,料金感度は距離帯に異なることなどが明らかとなり,一般的な離散選択モデルなどで活用される1分あたり何円といった固定値では行動変化がうまく捉えられない可能性があることが示唆された.また,このデータを活用した料金変化と行動変更モデルの構築ができた. 動的交通ネットワークフロー逆推定については,文献調査結果をもとに,現在入手可能なデータの中でも,特に偏りがないと考えられる所要時間情報を活用したモデル化の検討を行った.時間帯別OD交通量を未知変数として推定計算を行った結果,小さなネットワークでは精度良く計算を行うことができたが,ネットワークを大きくした場合に既存確率に大きく依存する推定結果となっており,モデル改良が必要であることが課題として残された.この点については,来年度以降モデル改良を進めつつ,実際のネットワークでの検証を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動的交通ネットワークフロー逆推定モデルについて,改善の余地があることが明らかになっているが,それ以外は順調に推移している.
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今後の研究の推進方策 |
上記課題について着実に改善を加えつつ,予定通り詳細な料金変更行動モデルを内包した時間帯別利用者均衡モデルの構築,最適料金デザインモデルの構築,および動的ネットワークシミュレーションを用いた検討のための準備を進めていく.
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