研究課題
本年度は研究期間の最終年度であり,昨年度までに進められた研究成果を踏まえ,政策の方向性についての示唆を得るための研究を遂行した.まず,複数空港システムにおける合理的な課金政策についての検討を行った.高速鉄道(High Speed Rail/HSR)が整備された環境下で複数空港システムが稼働した場合,社会厚生を向上させる課金方式としてどのようなものが望ましいか,について理論的に検討を加えた.拡張型Bi-levelモデルを援用し,2空港システム(うち,1空港は厳しい容量制約を持つものとする)におけるターミナルチャージ(旅客側への課金)と着陸料(航空会社側への課金)への課金を取り上げ,検討を加えた.さらに需要規模に関する感度分析も併せて行った.その結果,(i),(ii)収益性の点から考えれば,航空会社とHSRの協調は2空港間での需要差が縮小した場合には可能となる,という示唆を得た.次に本稿では,容量制約の厳しい空港の需要を補完するために,新幹線を含めた国内フィーダーネットワーク利用によるゲートウェイ空港の効果的利用促進を行う空港運営方法を検討する.Bi-levelモデルを適用し,旅客ならびに航空会社への補助金政策を検討するために,シナリオ分析を行った.分析の結果,混雑空港以外のゲートウェイ空港発着の国際線利用者への運賃負担を行うことにより効果的に誘導できることがわかった.航空会社の収益も潜在流動量が大きくなれば,補助によって収益が増加する可能性があることが示された.最後に開発したモデルを災害時のリリーバーネットワークの可能性検討に適用した.その結果,HSRの運賃規制など適切な政策を実行することにより,リリーバーネットワーク十分に機能する可能性があることがわかった.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transportation Research A
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.tra.2018.01.011
国民経済雑誌
巻: 2016 ページ: 39-50
商経論叢
巻: 58 ページ: 73-83