本研究は、培養が困難であったウイルスを含む水系ヒト感染性ウイルスの浄水処理性を、室内実験と実浄水処理場での調査を組み合わせることにより調べたものである。室内実験により、トウガラシ微斑ウイルスが、4種の水系ヒト感染性ウイルスの浄水処理性指標となり得ることを示した。また、浄水処理場での調査により、凝集-沈殿-砂ろ過工程でトウガラシ微斑ウイルスが1.6 log除去されることが分かった。これらより、実浄水場における凝集-沈殿-砂ろ過工程にて、1.6 log程度の水系ヒト感染性ウイルスの除去が期待できると推察された。
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