■ 気温、湿度、日射等が風に対する人間の感覚に及ぼす影響調査 風速計と温湿度計を携帯した複数の学生によって、任意の場所、任意の時刻に、約1分間の平均風速および最大瞬間風速、温湿度を測定し、その時の風に対する体感や、衣服や髪に対する影響、温冷感、快適感、目撃した事象等を記録する調査を昨年度から引き続き行った。今年度(平成30年度)より、スマートフォンアプリ「アンケートマップ」を使用して調査結果データ入力の省力化をはかっている。採取された約2000のデータの分析を行った結果、10℃未満のように気温が低い場合には風を強いと感じやすいことや、湿度はあまり風の感じ方には明確な影響を与えないことが明らかとなった。しかしながら、まだデータ数(特に高風速時のデータ数)が十分ではないため、気温、湿度、日射が風に対する人間の感覚に及ぼす影響を一般化するには至っていない。 ■ 数値流体解析 武蔵小杉地区を対象とした数値流体解析を実施した。数値流体解析による強風領域は、風洞実験による強風域、住民参加型風環境調査で明らかとなった強風域とよく対応した。また数値流体解析により、風洞実験では観察することのできない詳細な流れ場や高層建物近傍の下降流を明らかにすることができた。 ■ 風洞実験 武蔵小杉地区で問題となっている高層建物周辺の流れを、瞬間風速が測定可能な熱線風速計により測定した。その瞬間風速を分析した結果、特に大きなガストファクターや乱れの強さが生じているわけではないことが明らかとなった。
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