本研究は、居住者によって主観的に評価される居住環境に焦点を当て、計画的な用途混合および性能規制に対する居住者の意識について実証的に調査・分析を行った。具体的には、(1)用途・形態規制などの規制手法に対する居住者の認識・評価および(2)各用途に対する評価とそれらの用途が住宅地に混在することに対する心理的許容度を明らかにし、(3)性能規定という考え方がさまざまな居住環境や価値観をもつ居住者に受け入れられる可能性および方法を分析・検討した。また得られた結果にもとづき(4)都市のコンパクト化における「適度な」集中と混在を居住者の視点から明らかにし、縮小社会における誘導的都市計画に与える示唆を議論した。
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