今後の研究の推進方策 |
レーザー描画により形成された銅薄膜のモルフォロジーおよび電気特性の制御や,レーザー描画プロセスの速度向上が課題となり,これらの問題の解決のために以下の項目の検討を進めていく。 (1) 銅ナノ粒子から形成した銅薄膜においては,レーザー焼成条件によっては,粒状のナノ構造が残存する場合があり,導電性の向上や信頼性の点で問題となった。銅ナノ粒子のモルフォロジーに対するレーザー焼成条件の影響を,走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による観察および導電性の評価から明らかにする。レーザー焼成条件としては,レーザーパワー,レーザー光照射速度,焼成雰囲気,およびレーザー光波長(405, 445, 532, 808, 1064 nm)の影響の検討を行う。レーザー光波長の変化によっては銅ナノ粒子のプラズモン共鳴によるレーザー光吸収による銅ナノ粒子自身の加熱過程と銅ナノ粒子を安定化している有機基の直接分解過程の寄与が変わり,それが生成する銅薄膜のモルフォロジーおよび送電性に影響を及ぼすと考えられる, (2) ガルバノミラースキャン部と自動ステージスキャン部とからなるレーザー描画装置によって,より高速な銅ナノ粒子のレーザー焼成および微細パターン形成を可能とし,それらの過程で形成された銅薄膜のモルフォロジーおよび電気特性を明らかにする。 (3) レーザー直接描画法で形成した銅微細パターンに電解銅めっきや無電解めっきを適用し,銅薄膜の厚膜化とモルフォロジーの向上を目指した検討を行う。
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