研究課題
細胞毒性が無い元素から構成されるTiNbSn合金に対し、応力遮蔽を抑制するために組織制御と相安定性を施すことで、約40GPaまでヤング率を低減させ(骨のヤング率は10-30GPa)他合金に骨伝導性を付与するために、酢酸や硫酸電解浴中で高圧の陽極酸化を施し、機能発現機構を解明した。表層に形成するチタン酸化物の結晶性を電解条件で制御し、高い結晶性を備えたTiO2を担持したTiNbSn合金の骨伝導性を、 In vitroおよびIn vivo試験から明らかにした。ハンクス液中に浸漬させたIn vitro実験から、結晶性の高いTiO2ほど、表層にハイドロキシアパタイト(HAp)を形成することが明らかになったが、そのような酸化膜を生成するのに必要な熱処理は、nearβ相の逆変態によりヤング率を増加させるという問題がある。そこで、電解時の高圧印加と高濃度の酸を使用し、成膜後の温水処理(80℃)で課題を克服し、低ヤング率を損なうことなく結晶性の高いTiO2の成膜を可能とし、In vitro試験から骨伝導性の発現を実証した。In vivoを行ったところ、処理を施すことで、引き抜き強度は未処理材より有意な増加が確認でき、インプラント材表面に形成した新しい骨組織によりTiNbSn合金との密着が強固になったと考察した。水酸基吸着を促すことで骨伝導性を改善すると考えられていた温水処理の効果を確認するために、電解条件を制御して結晶性を更に高めたTiO2に温水処理を施さないでIn vitro試験を行ったところ骨伝導性が確認でき、多孔質のTiO2中にCaやPが多量に浸透していることが判り、骨伝導性のメカニズムは多孔質TiO2への骨構成元素の浸透によりるというモデルを提案した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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