研究実績の概要 |
Zr(Hf))B2-SiC系配向体を次の手法で作製した。Zr(Hf))B2およびSiC粉末をPEIを適量添加することにより、30vol%固体量のサスペンションを調整し、強磁場中(12T)でスリップキャストした。CIP処理後、パルス通電加圧焼結により、緻密な焼結体を作製した。 ZrB2-SiC 系の破壊靱性値向上のためBN添加を試み、30vol%BN添加まで上昇に、その値は5.3±0.2 MPam1/2であった。強度は、5vol%BN添加まで上昇し(602 MPa)、その後減少した。また、HfB2-SiCおよび5 vol%WCを添加した系において、HPにより緻密焼結体を作製し、曲げ強度を測定した。焼結中に原料粉末表面の酸化物が除去されることを熱力学的考察から明らかにし,1600℃においても強度は、WC未添加系で389MPa、添加系で658MPaと大きな値を示した。特に、WC添加系では、(Hf,W)B2, (Hf,W)C およびWB が析出し大きな高温強度を示すと解釈された。 TiB2-TaC 、TiB2-NbC 、B4C-TaB2、B4C-VB2系において、パルス通電加圧加熱により共晶組織を作製し、系統的に組織と力学特性の関係を検討した。10 wt% TaC-TiB2の室温および1600℃の曲げ強度は、それぞれ533 MPa 、480 MPaであった。NbC-TiB2 系では、 2000℃、5分間のパルス通電加熱により、(Nb,Ti) carbideと(Ti,Nb) B2の2相組織が得られ30 wt% NbC-TiB2において、優れた硬度 (24 GPa) と破壊靱性値(6.8 MPa m1/2)が得られた。
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