研究課題/領域番号 |
15H04181
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村松 淳司 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40210059)
|
研究分担者 |
蟹江 澄志 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (60302767)
中谷 昌史 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80451681)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | メカノケミカル反応 / ゼオライト / 骨格内導入 |
研究実績の概要 |
ゼオライト骨格へ元素を導入することで、その活性制御を試みている。今年度はSnの導入を行った。Sn は Si に比べイオン半径が大きく,さらに6配位で安定となるため,骨格内への導入が困難である。そこで本研究では、Si -O- Sn 間の結合を有した前駆体を利用することで、MFIゼオライトへの一様な元素骨格内導入ならびにその導入量の制御を目的とした。 Si-O-Sn結合を有するアモルファス前駆体調製のため、メカノケミカル反応を利用した。Sn錯体とSiO2前駆体を窒化ケイ素製ボールとともに窒化ケイ素製容器へ入れ、遊星ボールミルによりメカノケミカル反応を行った。得られた前駆体は、その処理時間の経過に従い、SiO2固有の構造の存在減少が確認され、24時間の反応によってアモルファスの前駆体が得られたことが確認された。得られたアモルファス Si -O- Sn 前駆体を用いて、HCl/Si比を変化させて水熱合成を行うことで、目的とするSn含有MFIゼオライト調製を行った。 HCl量の変化により、得られる粒径が変化することが確認された。また、比表面積、外表面積の変kなも確認された。HClの添加量増大に伴い、MFIゼオライト中のSn含有量の増大が確認され、最大で 3.1 wt%まで増大させることに成功した。得られたSn-MFIゼオライトのFT-IR測定で評価したところ、骨格内に導入されていることが確認された。以上より、メカノケミカル反応により得られた非晶質前駆体をりよすることで、MFIゼオライトへ一様に元素を含有することまたその含有量を制御可能であることが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MFIゼオライト への Sn 導入ならびに骨格内元素置換には一定の成果を挙げた。しかしながら、その導入量が 3.1 wt% と少ないため、導入量が与える特性への影響評価に向けて不十分な結果である。また、骨格内におけるSnの状態について、更なる検証が必要である。加えて、Sn意外の他元素導入についてはまだ未検証である。
|
今後の研究の推進方策 |
MFIゼオライト へ導入された Sn の状態を検証するため、X線による二体分布関数分析(PDF)などにより詳細に検証する。Sn導入量をさらに増やすため、前駆体種の変更、メカノケミカル反応条件について、更なる検証を行う。 Sn 導入の条件を基に、メカノケミカル法を利用し、他の元素種を MFIゼオライト への導入を行う。 得られた Sn または他元素種が導入されたMFIゼオライトを用いて、実際の触媒反応へ供し、元素種ならびにその導入量が触媒活性に与える影響について詳細に評価する。
|