研究課題
燃焼ガスの組成とノズルスロート面積の各履歴を推算する手法の構築: ハイブリッドロケットでは燃料流量が固体燃料のガス化速度で決まるため、直接計測することはできないが、燃焼室圧力、酸化剤流量、および推力等の計測可能なデータから推算することは可能である。このような手法を再現法(Reconstruction Technique)とよぶ。ノズル浸食は再現法のエラー要因になるが、これはノズルスロート面積と再現法のエラーに相関が有ることを意味する。再現法を拡張することでノズルスロート面積を算出する手法(Nozzle Throat Reconstruction Technique、NTRT)を構築し、燃焼中のOF比とノズルスロート面積の各履歴の同時取得に世界で初めて成功した。地上燃焼実験によるノズル浸食データの蓄積: 推力2 kN級モータおよび推力100 N級モータを用いて燃焼実験を繰り返し、NTRTを適用してノズル浸食データを蓄積した。スケールが大きく異なる両モータで得られた浸食データは定量的に良い一致を示し、ノズル浸食速度に及ぼす燃焼ガスOF比の影響を広いスケール範囲で取得することが出来た。ノズル浸食抑制材料の選定および評価: ノズル浸食の支配的な機構は酸化であることを念頭に、耐酸化性材料として、繊維強化セラミクス、炭化ケイ素セラミクス、ジルコニア、炭化タングステン、窒化ケイ素セラミクス、SiCコーティングを施したグラファイト、アルミナ、およびC/Cコンポジットを選定し、燃焼実験を実施した。SiCコーティングおよび炭化タングステンが高い耐浸食性を示した。また、耐酸化性に加えて、融点が高いこと、熱伝導率が高いこと、および熱膨張率が小さい材料が適していることが明らかになった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Propulsion and Power
巻: 33 ページ: 1369-1377
10.2514/1.B36390