研究課題
基盤研究(B)
海洋エネルギー施設等のための大規模な海域利用を行う際に、それに伴う構造物の設置等による環境影響評価は不可欠であり、そのための手法の開発は喫緊の課題である。我が国の沿岸域における海洋開発よる生態系への影響のうちで特に重要であると考えられる魚類資源への影響に着目し、そのモデルを高度化した。また、栄養塩の動態を含む低次生態系から魚類等の高次生態系までを統合的に扱い、それらへの人為的インパクトを考慮できるEnd-to-Endの生態系モデルを構築した。
海洋環境システム学
沿岸海域の複雑な環境要因とリンクした魚類の行動をモデル化し、構造物の設置や漁獲圧の変化などの外的環境変動に対応した時空間解像度をもつ沿岸性魚類の動態モデルは、海洋開発の環境影響評価に有効であると考えられる。また、低次生態系から高次生態系までを統合的に扱うEnd-to-Endモデルは、水質、物質循環、漁業資源等の多面的な評価に適用可能であり、海洋開発と漁業との協調や生態系保全に対して有益な情報を提供できると考えられる。