研究課題
29年度は、本研究の検討項目のうち、福島第一原子力発電所事故で環境中に放出されたセシウムを吸着・固定している粒子の性状や鉱物を数多く観察して、放射性セシウムを固定している土壌粒子の全容解明を図るとともに、汚染土壌からその鉱物フラクションを効率よく分離して土壌の減容化を可能とする分級方法の検討を継続した。その結果、以下のことが明らかとなった。①産地の異なる土壌の約4万粒子の中で放射性セシウムを濃集している粒子は105粒子で、わずか0.3%であることが明らかとなった。②放射性セシウムを濃集している粒子は、鉱物の凝集体、有機物と鉱物の複合体、風化雲母片で、風雲母片がその大部分を占めていた。なお、調べた土壌からはガラス質の球状物質は発見されなかった。通常この球状物質の放射能は高いので、見落とした可能性は低く、土壌全体への汚染根源粒子としての寄与は大きくないと結論された。③濃集土壌粒子の内部を観察したところ、放射性セシウムを濃集している鉱物のほとんどは風化雲母で、それらの粒子の内部にもセシウムが分布していることが明らかとなった。④分離・減容化のターゲットとなる鉱物は風化黒雲母で、これらは磁気分離可能なことから、ポールミルや超音波等により鉱物の凝集体および有機物と鉱物の複合体から風化黒雲母片を解砕することが減容化のカギとなることが明らかとなった。⑤高度に湿式分級することによって、放射性セシウムが濃集している細粒部は集められるが、粗粒部分に残留する風化雲母は解砕および磁選によって効率的に回収できることが判明し、その最適分級条件を明らかとした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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