本研究は,極微量同位体として41Ca+を対象とした超微細構造分光を目指し,それに必要となる同位体選別的操作技術の確立,およびそれらの技術を基盤として,極微量同位体分析法へと展開させることを目的に研究を行った.41Ca+と同じ核スピンをもつ43Ca+を用いて,超微細構造を考慮したレーザー冷却サイクルを確立し,効率的な冷却により43Ca+の個別イオンの観測に成功した.さらに,同位体選別的操作技術の向上を目指して,中性カルシウム原子の多段共鳴イオン化に必要となる新たな光源の開発を行い,3段共鳴励起を実現,同位体シフトを観測した.
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