研究課題
前年度の研究で、26週齢の脊髄小脳失調症1型(Spinocerebellar ataxia type 1, SCA1)ノックインマウス小脳において発現低下が観察される転写因子RORαが見つかってきた。RORα以外にIP3受容体、transient receptor potential channel 3 (TRPC3)、Homer 3、カルビンディンのmRNA低下が観察された。そこで、1)野生型マウスにおいて、RORαをノックダウンすることでSCA1ノックインマウスと同様の行動学的、形態学的フェノタイプ及び、同様の分子のmRNA発現低下が観察されるのか検討した。AAVベクターでRORαをノックダウンしたところ、進行性の運動失調、プルキンエ細胞樹状突起の退縮、プルキンエ細胞層の乱れが観察された。またIP3受容体、TRPC3、Homer3などの発現量測定用に、RORαノックダウン用miRNA発現小脳とスクランブルmiRNA発現小脳からmRNAのサンプル採取を行った。2)SCA1ノックインマウスの行動学的、形態学的フェノタイプが、プルキンエ細胞に特異的にRORαを発現させることでレスキューされるのかについての実験を開始した。(RORα発現AAVベクターをSCA1ノックインマウスにインジェクションした。)3)SCA1と同じポリグルタミン病である脊髄小脳失調症3型(SCA3)モデルマウスにおいても、SCA1と同様に運動失調の進行と並行して、プルキンエ細胞のRORα発現が低下すること、プルキンエ細胞の樹状突起が退縮すること、mGluR1シグナルが障害されることを明らかにした。さらに、SCA3モデルマウスのRORα機能を増強することで、行動学的、形態的、および電気生理学的異常が回復することを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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