プリオン伝達性・多様化をもたらすプリオンタンパク異常化分子機序の解明

2018 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 15H04269
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 神経解剖学・神経病理学
• 研究機関: 宮崎大学 (2016-2018); 長崎大学 (2015)
• 研究代表者: 新 竜一郎 宮崎大学, 医学部, 教授 (90452846)
• 研究協力者: 今村 守一
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: プリオン病 / プリオン株 / PrP

研究成果の概要

本研究ではプリオン病の病原タンパク質であるプリオンタンパク（PrP）の試験管内異常化反応法を発展させ、その系を用いた解析により、プリオン病の伝達性・多様化をもたらすPrP異常化の分子機序の解明とタンパク単独仮説の最終的な検証を目的とした。これまでに我々は、大腸菌由来リコンビナントPrP（rPrP）を反応基質、複数のプリオン株を反応系のシードとした試験管内PrP異常化反応系において、そのプリオン株特有の異常型PrP (PrPres)の特性を維持したrPrPresを生成させることに成功した。現在この反応系の生成物の伝達性と多様性を調査するため、脳内接種したマウスの解析を進めているところである。

自由記述の分野

ウイルス学

研究成果の学術的意義や社会的意義

補助的因子を加えた試験管内異常化反応法により、これまで効率の低かったプリオン株（非典型牛海綿状脳症や慢性消耗病等）の高効率な変換が可能となった。またその補助的因子を加えることにより、大腸菌由来リコンビナントPrP（recPrP）を反応基質とした試験管内PrP異常化反応系において、そのプリオン株特有の産物を生成させることが初めて可能となった。これらの結果は、プリオン病の病態機構の理解を大きく進展させたと考えている。