今後の研究の推進方策 |
昨年度のトランスクリプトーム解析の結果をふまえ、2016年以降は以下に焦点を絞り研究を進めて行く。 1. スプライシング変化によって出現するatypicalアイソフォームの機能を明らかにする。レンチウイルス、in vivoまたはin utero電気穿孔法により分散神経培養細胞やマウス脳に遺伝子を導入し、アイソフォームの異所的発現およびノックダウンによる表現型を生化学的、細胞生物学的、細胞生物学的手法により調べる。 2. 近年SAM68/SLMノックアウトマウスがさまざまな神経機能に障害を持っていることが明らかになりつつある (Iijima et al., 2011; Klein et al., 2013 & 2015; Pagliarini et al., 2015)。さらに、最近の報告で本研究の対象分子であるSLM1をコードするKhdrbs2遺伝子の変異が自閉症の候補因子としても挙げられており(Salyakina et al., 2012)、精神疾患と関連性のある分子をコードする複数のRNA分子が標的となっていることから、ノックアウトマウスの異常と同定してきた標的分子のスプライシング変化との関係を明らかにし、ヒト神経・精神疾患との関連性について電気生理学的、動物行動学的に検討する。
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