研究課題
(1)ヒトiPS細胞の品質を規定する「Score Card」の同定と、「真に良質なヒトiPS細胞」の迅速かつ効率的選択法の開発これまでに同定した「Score Card」に着目した遺伝子発現プロファイル解析を行ったところ、ヒトES細胞に近いプロファイルを示す群と、ヒトiPS細胞作製に用いた線維芽細胞に近いプロファイルを示す群と、その中間の群の三つに分かれることを見出した。また、ヒトES細胞に近いプロファイルを示す群以外の群は何らかの造腫瘍性を示しており、この「Score Card」遺伝子群が造腫瘍性に関与する可能性が示唆された。(2)造腫瘍性のレスキューと「真に良質なヒトiPS細胞」の樹立PiggyBac vectorを用いてヒトiPS細胞に高効率に遺伝子導入するシステムを構築した。「Score Card」の中でも特に重要と考えられる4つの遺伝子のクローニングを進めており、このPiggyBacのシステムを用いて造腫瘍性を示す(不完全にリプログラミングされた)ヒトiPS細胞へ導入するレスキュー実験を進めている。(3)末梢神経への移植による造腫瘍性評価前年度の解析で、従来の解析で造腫瘍性を示さなかったヒトiPS細胞から誘導した神経前駆細胞であっても、免疫不全ラットの末梢神経へ移植すると腫瘍を形成することを見出した。そこで、移植前の細胞に前処理を施したところ、腫瘍形成を抑制できることを見出しており、今後の応用が期待される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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