視床随板核特異的にNMDA受容体を欠損させた個体は、注意、衝動性制御、作業記憶、空間記憶などの広範な認知機能や、レム睡眠に異常を示し、統合失調症と多くの類似性を示した。海馬CA1選択的にNMDA受容体を欠損させた個体は、海馬CA1が報酬の主観的価値判断に関わり、衝動性制御にも重要な役割を担うことを明らかとした。選択的細胞腫特異的にカルシウムセンサータンパク質を発現するトランスジェニックマウスを作製し、多感覚刺激による大脳皮質の動態を解析した。正中及び頭頂の高次野は感覚刺激情報の統合の場であり、そこでは多感覚刺激により、刺激後数秒間に渡る脳波の同期が生ずることを明らかとした。
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