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2018 年度 研究成果報告書

腫瘍内微小環境特性の解析成果を応用した局所腫瘍制御と遠隔転移抑制の同時達成の試み

研究課題

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研究課題/領域番号 15H04295
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 腫瘍生物学
研究機関京都大学

研究代表者

増永 慎一郎  京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (80238914)

研究分担者 永澤 秀子  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90207994)
田野 恵三  京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (00183468)
真田 悠生  京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (50738656)
研究協力者 武田 俊一  
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード休止期腫瘍細胞 / 腫瘍内微小環境 / 中性子捕捉療法 / 転移 / ゲノム改変操作
研究成果の概要

局所腫瘍内の腫瘍細胞のp53 statusは、中性子捕捉療法に必須とされる10B化合物からの10Bの分布効率や、γ線照射に対する感受性に影響するが、高線エネルギー付与放射線照射や原子炉中性子線照射によってこの感受性への影響は効率よく緩和された。また、酸素化休止期腫瘍細胞における大きなガンマ線照射後の回復能は、糖尿病治療薬のメトフォルミンで効率よく抑えられ、腫瘍細胞の低酸素誘導因子の欠損が、グルコース枯渇下や低酸素下でのメトフォルミン感受性を高め、メトフォルミン共存下での放射線感受性も高めた。他方、実験動物に移植された腫瘍への中性子捕捉療法施行時の原子炉運転出力は高い方が治療効果も高かった。

自由記述の分野

放射線腫瘍学

研究成果の学術的意義や社会的意義

腫瘍細胞のp53 statusや低酸素誘導因子の欠損の有無などゲノム特性によって、癌治療効果が変化し、悪性腫瘍に多いp53変異型腫瘍細胞では、その効果が低下する。高線エネルギー付与放射線照射はこの低下を効率よく抑制し、中性子捕捉療法では、全腫瘍細胞と休止期腫瘍細胞との間の10B分布量の差が、p53 statusの変異によってp53野生型より小さくなるために、腫瘍全体としてより均一な線量の付与が可能となり病変部全体としての制御可能性が高まる。さらには、中性子捕捉療法施行時に用いる原子炉の運転出力は高い方が、殺腫瘍細胞効果も高まるので、治療に必要な照射時間は短くても十分な治療効果を期待できる。

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公開日: 2020-03-30  

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