研究課題
癌抑制機能を持つREIC/Dkk-3タンパク質が各種正常および癌細胞内においてOncogenic Rasシグナルを抑制していることが明らかとなっている。一方で、タンパク質のフォールディングや品質制御(特に複合体形成、輸送、リフォールデング等)に重要な働きをするシャペロン補助因子として、SGTA(small glutamine-rich tetratricopeptide repeat-containingprotein α)が報告されている。SGTAがAndrogen(男性ホルモン)シグナルを当該標的細胞内で抑制することが従来知られていたが、本研究において我々は、REIC/Dkk-3がSGTAと結合してSGTAにより抑制されたAndrogenシグナルを回復させる作用を持つことを検証した。また内分泌療法抵抗性前立腺癌の発生機序を明らかにするべく、REIC/Dkk-3 およびその関連因子の機能を解析し、前立腺癌における悪性形質およびAndrogen不応性の一元的制御機構の分子メカニズムの解明を進めている。さらに、REIC/Dkk-3とSGTAとの機能的結合に基づく各種ステロイド核内受容体(Glucocorticoid受容体およびEstrogen受容体)の核内移行制御機構に関する解析にも着手しており、一定の成果を挙げた。また、本研究から派生する研究として、悪性形質の獲得と癌化の観点から、各種の癌関連遺伝子および細胞内代謝関連遺伝子のmutationに関する基盤研究を実施した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Oncol Rep
巻: 40 ページ: 488-494
10.3892/or.2018.6409.