研究課題
アンドロゲン(男性ホルモン)とWntを含むシグナル系が、下流制御因子を介して前立腺癌と胎児生殖器の性質を制御する機構について解析し、それらの制御を受けるbZipファミリー遺伝子を同定した。bZipファミリー遺伝子群はMafBやATF遺伝子を含んでいる。これらの遺伝子群が胎児生殖器間葉細胞や癌関連線維芽細胞(CAF)の発生制御に関わる事が見出され、成果を出版し、さらに執筆中である(Nature Review in Press、他文献参照)。男性ホルモン応答性のエンハンサーにおける制御メカニズムについて解析し、前立腺癌細胞等の応答に如何に集約されるか解明した。これまでに男性ホルモン応答性のMafB遺伝子の3'UTR領域に二箇所のアンドロゲンレセプター(AR)結合部位AREの存在が判明した。男性ホルモン依存性の前立腺癌細胞株LNCap細胞を用いて、MafB遺伝子の3'UTRを含む発現制御領域のレポーターコストラクトを構築した。ARとB-Cateninの相互作用はエンハンサー上で検出されなかったが複数の基本転写因子とARの相互作用がAREに関して見出された。それらの転写因子群は前立腺癌におけるアンドロゲン依存性の転写制御に関わる事からも興味ある知見である(現在執筆中、Endocrinology 2016等)。我々が発表したソノポレーション法を用いて胎児由来の男性ホルモン依存性の間葉組織も用いて同様のコンストラクトを遺伝子導入し、エンハンサー活性を胎児組織においても同定した。これら解析を通じて、MafB遺伝子を制御し得る新規の転写因子群を同定した。それらの胎児組織並びに前立腺癌細胞における細胞増殖や分化に対する機能を今後解析する予定である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Reviews Urology
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