研究課題
申請者らは、受容体型チロシンキナーゼc-Metを標的とした新規低分子標的薬の創製研究を進めている。本研究では、c-Metのキナーゼ触媒部位(ATP結合部位)への親和性化合物の探索と、アロステリック部位に結合してキナーゼ活性を抑制制御するペプチドVpepの構造解析を行った。また、新規アロステリック阻害剤(Allosteric Inhibitor: Ai)の開発に向けたデザイン設計強化と従来型キナーゼ阻害剤(Catalytic Inhibitor: Ci)の改良とを組み合わせ、更に強い阻害活性を持つデュアル・インヒビターの創製を進めてきた。1) Vpepミメティック低分子化合物Aiのデザイン改良と化学合成を進め、Metキナーゼ活性の阻害効果を指標に、従来よりも低濃度のIC50を有する化合物候補を複数見出した。 2)低濃度IC50を持つMetキナーゼ阻害化合物(Ci)をデザインし、Ci-Aiのデュアル・インヒビターの創製に適した化合物のスクリーニング作業を進めた。 以上の研究を通じて、我々の開発したin silico創薬手法(COSMOS法:特許第 4612270 号)の有用性が検証された。 3) X線結晶解析によるVpep及びAiの結合様式決定研究については途上であるが、無細胞系を用いたMetキナーゼドメイン部分の組換えタンパクを作成し、Western blotにより精製を確認した。現在、Metキナーゼドメインタンパクの大量生成、精製・純化のステップをより効率的に進めるため、組換えタンパクの再設計を行っており、終了し次第次のステップに移行することにしている。 4) Basal-like typeの乳癌細胞では、c-Met発現が増強し、癌幹細胞のマーカーであるALDH1A3やCD133の発現が予後不良性に寄与していることが分かった。このことは、乳癌治療におけるMet標的薬の有効性を示唆する傍証となる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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