多細胞生物では、細胞が自律的に集まることでいろいろなパターンが生じ、高次機能を有する器官が形成される。器官形成などの生命現象では、これまで同種の細胞はすべて均一なものと考え、個々の細胞の個性・特性を無視してきたが、申請者は、同種の細胞でも細胞の大きさや遺伝子の発現量が異なり、しかも、その個性が絶えず時間変化していることを発見した。これに加え、平成27年度の研究では、この個性を定量評価するために必要な解析系を複数樹立し、定量データの取得を行った。
研究に必要な備品として、顕微鏡の購入を予定し、数社製品のデモを行ったが、いずれも欲しいスペックに到達しなかったので購入を見送った。そのため、未使用金が発生した。所属研究機関内で、利用しているゼブラフィッシュ飼育施設を移設・増設する必要が出てきたため、その費用として未使用金を利用することを予定している。
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