研究課題
1)初期翻訳におけるmRNA品質管理とタンパク質翻訳制御解析, 2)NMDと統合的ストレス応答の統御機構の解析について計画し、研究をすすめた。1)について、NMDの律速酵素であるSMG1の活性制御機構について解析を進めた。その結果、SMG1C複合体構成因子SMG9がGTP結合タンパク質であること、また、そのアフィニティー(Kd)をMST monolithを用いて定量化した。さらに、SMG9ともう一つのSMG1C構成因子SMG8との結合活性とSMG9のGTP結合活性がSMG1C形成に必須であることを明らかにした。これらの結果から、SMG9がNMD制御剤の新たなターゲットとして有望であると考え、解析を進めている。また、SMG1と新規SMG1阻害剤のアフィニティーをMST monolithを用いて定量化することに成功し、今後のSMG1阻害剤開発への応用が期待される。2)について、SMG1が関わる新たなストレス応答機構について解析を進めた。その結果、酸化ストレス依存的にSMG1が活性化すること、SMG1がNRF2を直接リン酸化することでNRF2活性化を制御し、活性酸素代謝に関わることを明らかにした。、酸化ストレス下で、ATF4などのNMDで分解されるmRNAについて、その翻訳開始がeIF2alphaリン酸化依存的に切り替わることで、NMDによる分解が抑制されることから、SMG1がNMDと酸化ストレス依存的NRF2活性化の両方に関わることから、SMG1がストレス下の遺伝子発現調節を統御すると考えられる。さらに、ペプチドアレイ解析により、SMG1の新規基質候補を複数同定し、解析を進めている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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