研究課題/領域番号 |
15H04339
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
三島 正規 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
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研究分担者 |
田岡 万悟 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (60271160)
藤原 俊伸 近畿大学, 薬学部, 教授 (80362804)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | SRA / ノンコーディングRNA / NMR |
研究実績の概要 |
長鎖ノンコーディングRNAのひとつであるSRA(steroid hormone receptor RNA activator)は、転写されたRNA分子自身が多くの因子と相互作用して、転写を調節する足場分子として機能することが知られている。SHARPタンパク質は、このSRAと直接相互作用し、HDACをリクルートすることで核内受容体による転写を抑制的に制御する。本研究では、SHARP-SRA複合体の構造解析により、SRAによる転写調節の分子機構の解明を目指し、解析を行った。まず、SHARPのRRM1-4ドメインの大腸菌の発現系を構築し、これを用いて同位体ラベルした試料を調製して、多次元NMR解析を行った。現在までにRRM1、RRM234、RRM34のコンストラクトに関して、信号の分離の良いNMRスペクトルを取得に成功した。化学合成したRNAを用いてRRM1、RRM2、RRM34、RRM234との相互作用を調べたころ、RRM1は相互作用がみられず、RRM2で弱い相互作用、RRM234とRRM34では顕著な相互作用が確認された。RRM34の試料ではNMR測定中に試料の凝集が見られたため、その改善のため溶液条件の検討を行った。また現在までに立体構造の報告されていないRRM1については、多次元NMR法により、その立体構造を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SHARPのRRM34とXistの直接的な相互作用をNMRで確認できた。このような非常に重要な基盤的知見が得られたこと、また立体構造未知であったRRM1に関して、多次元NMR法により立体構造を決定したことから、研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
2015年になり、SRAに加えて、ノンコーディングRNAであるXistもSHARPの標的RNAであることが示された。構造解析のためには詳細なXistの結合領域の知見が必要である。そのためCLIP法による標的の探索をより強力に推進するため、CLIP法の専門家である大阪大学の河原行郎教授を分担者に迎え、強力に推進する。並行して、NMRでの構造解析のための条件検討を進めていく。
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