今後の研究の推進方策 |
シャペロン群によるSup35NMモノマーの凝集加速効果の分子メカニズムを明らかにする。そのため、Sup35NMとシャペロン群の各種変異体を用いた解析を行う。また、シャペロン群の存在または非存在下で最終的に生成したSup35NMアミロイドの構造の比較をこれまでに確立してきた質量解析や各種分光法から行う。 Sup35NMモノマー、オリゴマーとシャペロンの結合様式に関しては、ビアコアによる詳細な解析を行う。一方で、Sup35NMアミロイド(N末またはC末の異なるコア構造をもつアミロイドも用いる)とシャペロンとの結合様式に関しては蛍光偏光法などを用いる。また、引き続き、15NでラベルしたSup35NMモノマーと非ラベルのHsp104, Ssa1, Sis1を混ぜ、Sup35NMモノマーのNMRシグナルの化学シフトや強度の変化を調べ、両者の結合部位の同定を目指す。 脱凝集の分子機構解明に関しては、まず脱凝集化を検出するための系の確立を目指す。ビオチンタグをもつSup35NMアミロイドをストレプトアビジンビーズに固定し、各種シャペロンを加えた後に、脱凝集化によって遊離してくるSup35NMモノマーを検出する実験系を確立させる。その確立後、異なるコア構造をもつSup35NMアミロイドやシャペロン変異体を用いて、詳細な解析を行っていく。 さらに引き続き、活性の高いHsp104シャペロンの単離を目指して、他の研究グループの精製法を詳細に再現し、精製したシャペロンの活性を現在のものと比較、検討を行う。
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