ハエのトランスグルタミナーゼ(TG)に関する本研究により、以下の点が解明された。1)TGは形態形成、体液凝固、感染微生物の包囲化に重要な役割を果たす。2)転写因子Relishを阻害することで腸内細菌に対する過剰な反応を制御している。3)腸管においては、キチン結合タンパク質を架橋することで強固な囲食膜の形成に関与している。4)腸管の常在菌に対する恒常性維持に深く関与している。また、TG遺伝子から選択的スプライシングにより、TG-AとTG-Bの2種類のアイソフォームが産生されることを明らかにするとともに、TG-AのみがN末端の脂質修飾により、細胞外へ分泌されるという新しい分泌機構を明らかにした。
|