生命科学において未踏の領域であった、アーキア(古細菌)が遊泳するメカニズムについて、生物物理学の視点より解明した。極限環境で生息するアーキアのべん毛は、理解が進んでいる真核生物の分子モーターや大腸菌のべん毛と異なり、分泌装置がベースとなったATP駆動による独自の運動機構を備えている。このアーキアべん毛について、らせんの構造・運動装置の特徴・それが生み出す流体への推進力の定量化・単位素子が生み出すステップを検出し、原著論文としてNature Microbiologyに発表した。さらにエネルギー変換の詳細を明らかにすることによって、全てのATP駆動型回転モーターに適応できる新しい学説を提案した。
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