腸内球菌Enterococcus hirae由来V-ATPase(EhVoV1)は、生体膜を介してナトリウムイオンを能動輸送するポンプとして働く回転分子モーターである。親水性部のEhV1は、ATP加水分解反応の化学エネルギーを一方向性の力学的回転運動に変換する。本研究では高速1分子計測により、EhV1の3つの触媒サイトに対応する120°毎の停止の間に存在する短い一過的な停止を初めて発見し、120°のステップは 40°と 80°のサブステップに分かれることを見出した。本研究で得られた様々な知見と先行研究のX線結晶構造解析の結果を合わせ、EhV1の化学力学共役スキームの完全なモデルを提案した。
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