高次脳機能を司る神経細胞のネットワークは、神経細胞同士が神経突起を互いに伸ばし、シナプスを形成することにより成り立っている。神経突起の伸長には脂質膜の供給が不可欠であり、近年小胞輸送の制御因子・低分子量G蛋白質Rabの関与が示唆されている。これまで当研究室では、Rab8やRab35などによるリサイクリングエンドソームから突起方向への小胞輸送機構の存在を明らかにしてきたが、どのような仕組みでこれらのRabが活性化され、神経突起の伸長が促進されるのかは明らかではなかった。本研究課題では、これらのRabの上流活性化因子(GEF)を同定し、Rab活性化の分子基盤の一端の解明に成功した。
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