研究課題
小胞輸送の最終ステップで起こる小胞膜と細胞膜の融合は、SNAREタンパク質およびExocyst複合体によって媒介される。本研究では、新たに開発したタンパク質間相互作用解析法(Visible immunoprecipitation(VIP)アッセイ)によって、8サブユニットから成るExocyst複合体の構築様式を明らかにした。さらに、Exocyst複合体とSNAREタンパク質のSNAP-25およびSNAP-23との相互作用様式も明らかにしている。一方、CRISPR/Cas9システムを改良して、KO細胞を効率的に樹立するシステムも開発している。平成29年度には、改良型CRISPR/Cas9システムを利用して、各SNAREタンパク質、および Exocystの各サブユニットのKO細胞の樹立を試みた。様々な工夫を凝らして何度もKO細胞を樹立を試みたが、どのSNAREタンパク質、どのExocyst複合体のサブユニットについても、うまくいかなかった。この原因としては、これらのSNAREタンパク質やExocyst複合体のサブユニットが、細胞の生存にとって必須の役割を果たすために、KO細胞が増殖できない可能性が考えられる。一方、新たに見出したExocyst複合体と、繊毛内タンパク質輸送に関与するIFT-B複合体の相互作用解析には進展があった。すなわち、Exocyst複合体のサブユニットSec10がIFT-B複合体のサブユニットのIFT57と相互作用すること、Sec8がIFT20およびIFT54と相互作用することを明らかにした。今後は、これらの相互作用が、繊毛内タンパク質輸送において果たす役割を解析しなければならない。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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