研究課題
アブシシン酸(ABA)は、植物のストレス応答を司る重要な植物ホルモンである。ABAシグナル伝達経路では、タンパク質のリン酸化が重要であり、申請者らはABAに応じてリン酸化される複数のmRNAの選択的スプライシングに関わる因子を発見した。そこで、選択的スプライシングを網羅的に解析するため、ABA処理を施したシロイヌナズナ野生型およびSnRK2欠損変異体から抽出したRNAを用いてシーケンス解析を行った。今年度はデータ解析を進め、トランスクリプトームとスプライスバリアントの解析結果をまとめた。その結果、170種以上のスプライスバリアントが、ABAシグナルによって制御されることを発見した。また、それらはABAシグナル伝達の中枢因子の一つであるSnRK2プロテインキナーゼによる制御を受けることも明らかにした。現在、得られたバリアントの確認を進めるとともに、シロイヌナズナ種子由来のRNAについても同様の解析を進めている。さらに、シロイヌナズナの種子についても、休眠種子および休眠打破処理を施した種子についてスプライシングの解析を行った。また、本年度は代表者および分担者を併せて4件の原著論文を出版するとともに、17件の学会発表を行った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (17件)
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