研究課題
基盤研究(B)
我々が開発した微細組織の網羅的遺伝子発現解析法やレーザー顕微手術法を活用し、植物の主要な光受容体であるフィトクロムによる避陰応答の空間構造を解析した。その結果、子葉と胚軸(茎)で、あるいは葉肉と維管束で応答が大きく異なることが分かった。また、器官や組織間で、植物ホルモンであるオーキシンによるシグナルおよびそれとは独立した未知シグナルのやり取りがあることを見出した。
植物生理学
植物の光応答における組織特異性や組織/器官間シグナル伝達に関する知見は限られていたが、本研究を実施することにより、組織や器官ごとの応答が分子レベルでどの程度異なるかが初めて明らかになった。また、避陰応答の空間的制御において、オーキシンやオ新規シグナルが果たす役割が明らかとなり、植物の光応答の空間構造に関する理解が深まった。これらの知見は、光受容体の働きを人為的に調整し植物の性質を改善する上で欠かせない。