爬虫類(ワニ)と甲殻類(ミジンコ)の環境依存型性決定機構をモデルとして、性決定時における環境シグナルの受容機構と、環境因子と生体内因子との間の相互作用の解明を目的とした。ワニではTRPV4による環境温度の受容機構を解明した。また、雌雄それぞれの産生温度において、エピゲノム修飾因子が温度依存型性決定に寄与する可能性を示した。ミジンコでは幼若ホルモンと脱皮ホルモンの生合成遺伝子群の単離と発現解析を行い、主要内分泌システムの分子基盤を整備した。さらに、性特異的なスプライシングやクロマチン修飾機構、雌特異的な脱皮ホルモンシグナル経路の活性化により雌雄形質の発現が制御されている可能性を示した。
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