研究課題/領域番号 |
15H04398
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 学 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60301785)
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研究分担者 |
黒川 大輔 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40342779)
吉田 薫 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 准教授(移行) (70398973)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 受精 / 精子 / シグナル伝達 / カルシウム / 精嚢分泌タンパク質 |
研究実績の概要 |
本研究は受精過程における精子機能調節のメカニズムの解明を目的とする。本年度は下記の実験を行った。 1)マウス精子の受精能制御機構:マウス精嚢分泌タンパク質SVS2は精子の受精能獲得を抑制し、in vivoによる受精には必須である。前年に引き続きSVS2に似ている精漿タンパク質SVS3、4による精子受精能調節作用について検討した。SVS4は単独で受精能獲得を抑制したが、SVS2とは違って精子が獲得した受精能を解除することは出来なかった。また、SVS3,SVS4ともガングリオシドGM1と結合すること、SVS2とSVS3が相互作用することも確かめられた。SVS2以外のSVSタンパク質も受精能獲得を制御しうるが、SVS2とは作用が大分異なることが示された。 2)ホヤその他の動物の精子機能調節機構:尾索動物であるホヤは受精にいたる精子機能調節は脊椎動物とほぼ同等の過程を経るが、受精能獲得過程を持っておらず、その一方で卵に対して強い走化性を示す等の特徴がある。昨年に引き続き、哺乳類の受精能獲得で重要な役割を果たす、精子特異的カルシウムチャネルCatSperが、受精能獲得を示さないホヤにおいてどのような役割を果たすかを調べた。まずCatSperの発現をカタユウレイボヤを用いて調べたところ、精子だけでなく他の組織においても発現していることが明らかとなった。また、CRISPR/Cas9法によるCatSper遺伝子のKnockdown個体の作成を行ったところ、著しい成長不良を示すことが明らかとなった。 また、他のホヤや硬骨魚類の精子機能調節機構の解析も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの実験については、当初の予定通りの進捗状況である。ホヤの実験については、前年度に発生したゲノム編集がうまくいかない状況に陥ったものの、その後はCRISPR/Cas9法によってゲノム編集に成功し、CatSper3KO個体のフェノタイプの内容が予想と異なったため、予算を一部繰り越す事態となったことはあるが、当初期待していた成果を得るには至っている。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの研究は一段落つき、ゲノム編集によるカタユウレイボヤの変異個体の解析が進められるようになってきたため、引き続きホヤのゲノム編集実験を重点的に行う予定である。また、カタユウレイボヤの精子走化性に関する実験もより詳細な詰めを行う予定である。
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