研究課題
本研究は、ゲノムの『脆弱部位』の存在意義に関する固定概念を覆すことを目的とする。脆弱部位は突然変異のホットスポットであるため、基本的には有害な物である。したがって、進化的に一時的に存在するだけで、すぐに淘汰され消滅するものであると考えられている。しかし本申請者は、脆弱部位が進化的に有益に働く局面が多々存在し、その有益性ために脆弱部位は進化的に驚くべき長時間、ゲノムに維持されると仮説を立てた。本申請者は、これを証明するに十分な理論的および実証結果を持っている。申請期間において、これをさらに確実なものとし、さらに発展させる。そして、新しい学説として学界に認識させることをゴールとする。本年度は、寄生植物とウマをモデルに研究を行った。6種の寄生植物のゲノムを新規に解読し、それらの種がゲノムをフレキシブルに改変し、寄生している宿主のゲノムも取り込みながら進化していることが分かった。また、ウマ数百頭のSNP genotypingを行い、家畜化後、どのようにゲノムを改変しながら現在に至ったかを解析した。その真価の過程は、ゲノム全体をみると一様ではなく、脆弱な速い進化を示す部分と、そうでない部分が存在することがわかった。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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